日本で販売されているスマートフォンのほとんどは、シャッター音が強制的に鳴る仕組みになっている。
そもそもなぜシャッター音が消せないのかを調査してみた。
また、シャッター音が無いスマートフォンを利用したい人向けに対策をまとめた。1
日本のスマートフォンのシャッター音が消せない理由
メーカーから公式な説明はないが、盗撮防止目的だと言われている。
ガラケーにカメラを搭載し始めた時期に、盗撮防止を目的としてメーカーが自主規制としてこの仕組みを導入し、現在も慣習として残り続けている。(諸説あり)
日本の盗撮被害状況
警視庁の発表によると、盗撮事件の検挙数は年々増加傾向にある。スマートフォンが完全に普及し、気軽に撮影できるようになったことによるものだろう。
駅構内での発生件数が圧倒的に多いようだ。
盗撮に対する政府の取り組み
令和5(2023)年7月13日に「性的姿態撮影等処罰法(略称)」が施行され、撮影罪が新たに定められた。
令和5(2023)年7月13日に「性的姿態撮影等処罰法(略称)」が施行され、撮影罪が新たに定められました。
従来の迷惑行為防止条例などにおいては、いわゆる盗撮行為が処罰の対象となっていました。
しかし、処罰に値する撮影行為は、典型的な盗撮行為に限られるわけではありません。
「盗撮罪」ではなく、あえて「撮影罪」という名前が使われていることからもわかるように、性的姿態撮影等処罰法においては、盗撮に限らずさまざまな撮影行為が処罰の対象とされています。
撮影罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金刑」となっており、未遂に終わった場合も処罰の対象となります(法第2条2項)。
参考資料(弁護士法人デイライト法律事務所):https://www.daylight-law.jp/criminal/sei/tosatsu/satsueizai/
だが、撮影罪が制定された2023年は2022年よりも盗撮事件の検挙件数は増加している。
警察庁の発表によると、盗撮の検挙件数は年々増加しており、2022年は5737件だったのが、新たに「撮影罪」が施行された23年には6933件と約1200件も増えた。
参考資料:(ヤフーニュース):https://news.yahoo.co.jp/articles/43c187643063e75c8abc016f0168c47033434d54#:~:text=警察庁の発表による,1200件も増えた%E3%80%82
厳罰化によって今後被害が減ることを祈るばかりだ。
海外のスマートフォンのシャッター音の状況
世界に目を向けると、スマートフォンのシャッター音が消せないのは、日本か韓国で販売されているものに限定されるらしい。
日本や韓国以外の国で販売されているスマホは、サイレントモードにすればシャッター音も鳴らなくなる。
日本に来た外国人は現地の日本人がパシャパシャと音を鳴らして撮影していることに驚くらしい。
日本でシャッター音がないスマートフォンを利用するには?
開発元が設けた制限を解除させる
iOSの場合は脱獄(Jailbreak)、Android OSの場合はroot化と呼ばれる行為で、開発元(AppleやGoogle)が設けた制約を解除することで、本来利用できない機能やアプリを使えるようにすることができる。
これを行うことで、自由にスマートフォンをカスタマイズできるようになるが、ソフトウェアライセンス規約の違反となるため、サポートが受けられなくなる。
またセキュリティ面が脆弱になることでマルウェア感染のリスクが高まるといったリスクがある。
合法ではあるものの、他人のプライバシーを侵害する目的で行うことは決して許されない。
海外版の端末を個人輸入する
一番良いのは、海外で販売されているスマートフォンを購入することだ。日本での利用であっても、海外で販売されているモデルであれば、サイレントモードにすればシャッター音は鳴らなくなる。
ただ、海外版のモデルは日本の電波法に準拠していない場合があるので、日本の技適マークが付いているモデルかどうかをよく確認してから購入する必要がある。
また、輸送費や関税の支払いが必要になるので、日本で購入するよりも割高になる。
リャマはカナダ版のiPhone16 Proを個人輸入して利用している。カナダ版は日本と同じモデルなので日本の技適マークがあり、シャッター音は鳴らない。
以下の記事で個人輸入したときの詳細を記事にしているので、海外版のスマートフォンの購入を検討している人は参考にして欲しい。
スマートフォンのシャッター音についてのまとめ
今回は日本のスマートフォンのシャッター音が消せない理由、日本でシャッター音が鳴らないスマートフォンを利用する方法を紹介した。
シャッター音が鳴らないスマートフォンは非常に快適だが、プライバシーや権利を尊重して使用する必要があり、決して悪用しないようにしてほしい。
- 本記事では、日本で販売されているスマートフォンのカメラのシャッター音が消せない理由や、シャッター音が鳴らないスマートフォンを使用するための選択肢について解説していますが、スマートフォンの制限解除や海外版端末の利用を推奨するものではありません。これらの行為には法的リスクやセキュリティリスクが伴う場合があり、すべて自己責任で行ってください。万が一、これらの方法を実施したことにより読者が被害を被ったり、第三者に損害が発生した場合でも、当ブログの運営者は一切の責任を負いません。 ↩︎